発達障害を持っている人から、よく聞く話です。基本的にできることとできないことの差が大きいです。今までできなかったけど、同じ方法を続ければ、できるようになるでしょうか。できるようになりませんね。
今までの方法でできなかった仕事をただ我慢するだけで、できるようにはなりません。たとえば、今まで20年間、もしくは30年間、部屋を掃除するように頑張りました。同じ方法を続けても掃除ができなかった部屋が綺麗にはなりません。やり方を変えないと何も変わりません。努力の問題ではないことが多いです。ほとんどの発達障害を持っている人は本当に一生懸命です。問題なのは、「できること」と「できないこと」を把握していません。一般的な人ができるなら、自分もできるだろうと思い込みます。
てくてく会でよく話しますが、以下の三つをお勧めします。
1 どうしてもできないことをやりません。どうしてもできないなら他人に任せます。どうしてもできないので、頑張ってもできません。私自身がどうしても安全運転することができません。同時進行が苦手です。目を見て判断する力は弱いです。他の車が絶対来ない道なら運転するかもしれません。ただ、他の車が絶対来ない道はありませんので、運転しません。だから、電車に乗ります。バスに乗ります。違う方法を利用して移動します。どうしてもできないことはできないからです。
2 苦手なことは最低限でいいです。上手になれないので、無理しなくていいです。 たとえば、自分ならお掃除が苦手です。最低限掃除することは必要です。苦手でも完全に避けることができません。だから、アプリを利用して、週何回か少しずつ掃除をしています。「掃除しなくちゃ」と考えただけでは、何も変わりませんでした。それがわかった時に方法を変えました。掃除が苦手なので、掃除の達人を目指しません。もしピカピカの状態を保つことが人生のただ一つの目標なら、できるかもしれません。そしたら、もっと大事なことができなくなります。お掃除が苦手なので、最低限でいいです。
3 得意なことを伸ばします。得意なことならだんだん上手になります。得意なことなら達成感があります。「得意なことがないですよ」と思う人もいます。けれども、小さくても自分なりの得意なことが何かありませんか。趣味の程度でも伸ばしてみてください。仕事につながる場合もありますね。こだわりが仕事になる場合もあります。得意なことなら続ければもっと上手になります。私であれば、発達障害について詳しく勉強しました。現在、発達障害の当事者会が仕事の一部分になりました。
今までできなかったことがあれば、本当にできないことかどうかゆっくり考えましょう。できるけど、苦手ならやり方を変えるとか、もしくは手伝ってもらうほうがよいかもしれません。そして、得意なことをぜひもっと伸ばしてください。そのようにして楽になりませんか。